沖電線 ギガビット・イーサネットケーブル 高速データ伝送技術ー「どの技術をどのように選ぶべきか」

動画では、沖電線の「ギガビット・イーサネットケーブル」の特長や採用分野を含め、OKIアイディエスのFPGA/SoC向け高速データ伝送ソリューション『iシリーズ』を中心に、それぞれの技術的特長、具体的なユースケースや、導入メリットを解説しております。


AI/IoT/DX時代を支える!OKI IDSの高速データ伝送ソリューションとそれを支えるケーブル技術

AIやIoT、DX(デジタルトランスフォーメーション)が社会に深く浸透する現代において、工場ライン、監視カメラ、自動運転車など、様々な分野でシステムは高度化し、大容量かつ高速なデータ伝送が不可欠となっています。従来のデータ伝送方式では、データ量が増加するにつれてリアルタイム性が損なわれ、情報処理が追いつかなくなるという課題に直面しています。このような課題を解決するため、OKI IDSはFPGAを活用した高速データ伝送ソリューションを提供しています。


高速データ伝送が求められる背景とFPGAの優位性

現代の高度なシステムには、低消費電力、リアルタイム性、低遅延、堅牢性(耐久性、長寿命性)、高柔軟性、小型・軽量といった特性が求められます。例えば、自動運転では事故回避のためにリアルタイム性と低遅延が極めて重要です。

これらの要求に応えるため、OKI IDSでは「フィールドプログラマブルゲートアレー(FPGA)」という、プログラミングで書き換え可能な論理回路デバイスを活用したソリューションを提案しています。FPGAは、CPUやGPUと比較して20%から50%もの消費電力を削減できるほか、リアルタイム性、堅牢性、低遅延、高柔軟性、小型・軽量であるという特性を持ち、通信の強化に不可欠なデバイスです。


OKI IDSの3つの高速データ伝送ソリューション

OKI IDSは、お客様の多様なニーズに応えるため、以下の3つの高速データ伝送ソリューションを提供しています。いずれも規格の公称値に近い転送レートを実現しています。


1. I-Gig(ギグイビジョン対応ソリューション)

I-Gigは、産業用イーサネットの画像伝送規格「GigE Vision」に対応したソリューションです。

【特長と機能】

  • 最大10Gbpsでの転送が可能

  • イーサネットケーブルによる長距離転送が可能

  • UDPプロトコルでも再送機能により信頼性を確保

  • 汎用PCや標準的なインターフェース・ケーブルに対応

  • GenICam対応でアプリケーションからカメラ制御が可能

【適用事例】

  • 道路のリアルタイム監視システム

  • 医療用レントゲン装置(非圧縮画像伝送)

【製品ラインナップ】

  • I-Gig TX(カメラ側用、PTP軽量版・高機能版)

  • I-Gig RX(モニター側用)

【デモ事例】

  • AMD Kria K26 SOM搭載の10GigE Visionカメラプラットフォームで、5.1MP 60FPSのカラー画像を約5.1Gbpsで伝送可能


2. I-TE(TCP/IPオフローディングエンジン)

I-TEは、TCP/IP通信処理をFPGAにオフロードすることで高速化を実現するTCP Offloading Engine(TOE)です。

【特長と機能】

  • CPU負荷を削減し、公称値に近い高速通信(例: 1Gbpsで920Mbps)

  • TCP高速通信と制御用小パケット通信を1つのIPで提供

  • 1GbE~100GbEに対応

  • 並列処理による高速チェックサム演算

【適用事例】

  • 画像診断装置、監視カメラ(4K・8K映像対応)

  • 車載ネットワーク、AIデータ処理

【開発サポート】

  • マイクロブレイズやZynqのLinuxアプリケーション開発対応

  • MAC・PHY制御、インターフェース設計サービス提供


3. I-DMAC(PCI Express DMAコントローラー)

I-DMACは、AMDのPCI Express統合ブロックに最適化されたDMAコントローラーで、CPUを介さず高速データ転送が可能です。

【特長と機能】

  • PCIe知識不要で高速設計が可能

  • Windows・Linux対応のドライバー提供

  • 長年の実績による安定品質

  • CDTリストにより仮想記憶管理下での連続DMA転送が可能

  • ノーマル転送モードとキャプチャー転送モードを搭載

【適用事例】

  • 映像制作機器、画像診断装置

  • データ通信装置、スマートNIC構築

  • PCIe Gen4 x8対応で省電力・高効率化

【開発サポート】

  • リファレンスデザイン、評価用IP、マニュアル等を提供

  • 要求仕様に応じたマルチチャネル化やSR-IOV対応


高速データ伝送を支えるケーブル技術

OKI電線は、高速データ伝送を支えるため、GigE Vision対応の高性能ネットワークケーブルを提供しています。

【特長】

  • 耐環境性能:油、埃、振動、温度変化に強い

  • ノイズ耐性:外部干渉にも強く、安定通信を実現

  • 柔軟性:狭いスペースや可動部に最適な設計

【製品ラインナップ】

  • EtherCAT、MECHATROLINK、CC-Linkなどに対応

  • カテゴリー5~7のケーブル、RJ45以外のコネクターも対応

【お客様への貢献】

  • 産業用ロボットの制御支援

  • 監視システムでのリアルタイム画像処理

  • スマート工場でのIoT活用とネットワーク最適化

  • 現場の課題に合わせた開発や提案も実施


まとめ

OKI IDSは、I-Gig、I-TE、I-DMACという3つの高速データ伝送ソリューションと、OKI電線の高性能ケーブル技術により、AI/IoT/DX時代の多様なニーズに応えています。

 



◇沖電線 ギガビット・イーサネットケーブル
https://www.okidensen.co.jp/jp/prod/cable/mv/index_gigab.html?lfpeid=e5ElX34UtcpZ&lfmaid=1000339978-1