コラム

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近年、電子機器の小型化・高密度化が加速する中で、狭いスペースでの信頼性の高い配線が求められています。
特に、超細径ケーブルと低背コネクタの組み合わせは、ロボットやウェアラブル、ドローンなどの分野で重要なインターフェースとなっています。

本記事では、沖電線製「UL11527 AWG28 φ0.60mm」単芯ロボットケーブルと、各社の狭ピッチ・低背コネクタとの適合性、今後の応用分野についてご紹介いたします。


1. 電子機器の高密度化と配線課題

小型化された電子機器では、内部スペースに限りがあり、柔軟で細径な配線材と省スペース型コネクタが必要不可欠です。

とくに動きのある部位や、人に装着されるような機器では、「細くて柔らかく、断線しにくい電線」が求められます。
そうしたニーズに対応できるのが、「UL11527 AWG28 φ0.60mm」ケーブルです。


2. UL11527 AWG28 φ0.60mmの製品概要

UL11527は、可動部向けに設計された単芯ケーブルで、以下の特長を備えています:

  • 導体構成:49/0.05mm 撚線(高柔軟)

  • 絶縁体外径:0.60mm(超細径)

  • 絶縁体材質:ポリエステルエラストマー(耐屈曲・耐熱105℃)

  • 定格:30V、UL11527認証、RoHS2対応

極細ながら柔軟性と耐久性を両立しており、繰り返しの屈曲を伴う用途にも適しています。


3. 適合する低背コネクタの種類

UL11527の絶縁体外径φ0.60mmは、以下のような各社の小型圧着端子に対応しています。

  • JST ACHコネクタ(SACH-003G-P0.2)

  • JST SUHコネクタ(SSUH-003T-P0.15)

  • ヒロセ電機 DF52 / DF57 / DF58シリーズ

これらのコネクタは狭ピッチ・低背設計で、限られた基板スペースに対応しながら、しっかりとしたロック機構を備えています。
UL11527はこれらに物理的・電気的にマッチし、安定した圧着と挿抜性を実現します。


4. 今後の用途展開と成長が見込まれる分野

UL11527と低背コネクタの組み合わせは、次のような分野でのニーズが高まっています。

【車載分野】
EVやADASの制御機器、センサ配線など。振動・熱・スペース制約が厳しい環境で活用が期待されます。

【医療機器・ウェアラブル】
ポータブル検査機器、パッチ型モニター、スマートウェアなど。軽くて柔らかな配線が求められます。

【ロボット・ヒューマノイド】
手先や関節などの屈曲部での配線に適しています。屈曲回数の多い可動部においても耐久性があります。

【ドローン・UAV】
ジンバルやセンサ周辺の信号配線に使用可能。軽量性と柔軟性が重要視される分野です。

【IoT・AR/VR・民生機器】
スマートグラスやセンサーノード、超小型IoT端末など。高密度実装と信頼性のある配線が求められます。


5. 小ロット対応で試作にも最適

φ0.60mm以下の可動用単芯ケーブルは、一般的には数千m単位の受注生産が主流です。
しかし弊社では、以下の対応が可能です。

  • UL11527 AWG28 φ0.60mm(白・黒)を1m単位で在庫販売

  • 在庫即納・短納期対応

試作や少量開発のスピードアップにお役立ていただけます。


6. まとめ

UL11527 AWG28 φ0.60mmは、小型で可動性を求められる電子機器に最適なケーブルです。
低背コネクタとの高い適合性を備えており、車載、医療、ロボティクス、IoTなど将来性ある分野での活用が期待されています。

小ロットからの調達が可能ですので、開発段階のご要望にも柔軟に対応いたします。
ご興味のある方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。


 


◇商品ページ
https://nisho.ocnk.net/product/1659










1. 製品概要:ORP-30Fとは?

沖電線が開発した ORP-30F は、日本最細クラスのロボットケーブルです。以下の特長を備え、主にロボット用途に向けて設計されています:

  • 極細径で狭小スペースに適応

  • 繰り返しの曲げに耐える耐屈曲性

  • 軽量設計で機器の小型化に貢献

  • 複雑な配線にも対応できる柔軟性と断線リスクの低減

現在は主にFA(ファクトリーオートメーション)分野で使用されていますが、将来的にはさらに広範な用途が期待されています。


2. 市場背景:ロボット×AI統合の進展

セグメント2021年市場規模2030〜33年予測成長倍率
サービスロボット約8,000億円約4兆円×5
協働ロボット(コボット)約1,000億円約3兆円×30
AI統合医療ロボット約8,000億円約4兆円×5

ロボットのスマート化・小型化が進むにつれて、高密度信号線や耐メカストレス対応ケーブルへの需要が急増しています。


3. 超細径ケーブルの用途拡大

  1. 医療・介護ロボット

    • ダ・ヴィンチ手術支援ロボット、内視鏡操作機器、注射補助アームなど

    • 極細径化と高絶縁で安全性を確保

  2. サービス・家庭用ロボット

    • 清掃ロボット、配送・接客ロボット、教育用ロボット

    • コスト・耐久性・信号品質重視

  3. ウェアラブル/ヒューマンインターフェース

    • 外骨格スーツ、リハビリ支援衣、遠隔操作グローブ

    • 人の動作に追随する柔軟性と耐久性、耐汗・耐湿性などが重要

  4. ドローン・自律走行ロボット(AMR/AGV)

    • 軽量ドローンの制御配線、自律走行ロボットのケーブル

    • 軽量性・耐振動性・信号+電力伝送の両立が求められます

  5. 精密機械・半導体製造装置

    • 半導体ウェハ搬送ロボット、高精度リニアステージ等

    • 低粒子・低アウトガス性・高周波信号対応などが求められます


4. 今後10年間の需要予測

  • 2035年までにロボットケーブル全体の需要は5~10倍に拡大見込み。特に超細径・高耐久ケーブルの需要が加速します。

  • 市場を牽引する要因

    • 小型化(Miniaturization)

    • AI統合による信号ライン増加

    • 医療・航空分野の国際規格準拠

    • 環境配慮型材料への転換


5. 結論:ORP-30Fはロボティクス時代の重要部材

ORP-30Fは単なるFA向けケーブルにとどまらず、医療・福祉、精密機械、自律移動分野など、次世代ロボット領域での中核部材としての可能性を秘めています。

その「超細径」「高耐久」「高柔軟」という特性により、高密度な配線環境でも優位性を発揮し、今後ますます重要な役割を果たしていくと期待されます。


 


◇メーカーサイト
https://www.okidensen.co.jp/jp/prod/cable/robot/orp30f.html

◇商品ページ
ORP-30F 対 シ ールドなし 超細径
https://nisho.ocnk.net/product-list/679

ORP-30F 対 シールド付き(SB) 超細径
https://nisho.ocnk.net/product-list/577

ORP-30F 芯 シ ールドなし 超細径
https://nisho.ocnk.net/product-list/609

ORP-30F 芯 シールド付き(SB) 超細径
https://nisho.ocnk.net/product-list/610








ORP-30F 28AWG×6C(SB)(21103)