2026年4月

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沖電線が提供する「ORP-SL105℃ケーブル・シリーズ」は、産業用ロボットおよびFA(ファクトリーオートメーション)機器の小型化と過酷な動作環境に対応するために設計された高機能ケーブルです。本製品の最大の特徴は、UL 758 Style 2517規格に適合した105℃の定格温度と、従来のORPケーブル比で約20%の細径化を実現している点にあります。

摺動、首振り、捻回といったロボット特有の複雑な動きに対して極めて高い耐久性を持ち、特に摺動屈曲においては1億回以上の動作寿命を誇ります。柔軟性と耐油性、難燃性を兼ね備え、機器内および機器間の固定・可動部双方での利用に適した、次世代のロボット配線ソリューションです。


1. 規格適合性と基本設計


本シリーズは、国際的な安全規格であるUL規格に適合しており、高い信頼性を担保しています。

適用規格: UL758 Style 2517(定格105℃、300V)です。
難燃性: VW-1規格に適合しています。
追加対応: 受注生産により、ULリスティング(CL3)規格適合品への対応も可能です(導体断面積0.25mm²、0.3mm²、0.5mm²のみ)。
使用環境: 屋内、機器間および機器内の固定・可動部に対応しており、使用温度範囲は-10℃から105℃までをカバーしています。

2. 主要な特長と機能的利点


2.1 高度な細径化と柔軟性

従来のORP-SLシリーズの特性を継承しつつ、ORPケーブルと比較して平均約20%の細径化を達成しています。これにより、ロボットの小型化設計に寄与し、省スペース化を実現します。また、優れた柔軟性により、狭小部での配線取り回しも容易になります。

2.2 優れた耐油性と堅牢な材質

過酷な工場環境での使用を想定し、以下の材質を採用しています。

絶縁体には特殊エラストマーを使用しており、高い柔軟性と電気特性を両立しています。シース材には耐油性PVC(黒つや消し)を使用しており、油剤が付着する環境下でも劣化しにくい仕様です。

3. 卓越した可動性能


本ケーブルは、ロボットのあらゆる動き(摺動、首振り、捻り)に対応するため、厳しい試験条件下で高い耐久性能が確認されています。

摺動屈曲では、曲げ半径が外径の約6倍、速度70回/分、移動距離350mmの条件下で1億回以上の耐久性を示しています。首振屈曲では、曲げ半径が外径の約8倍、角度±90°、速度40回/分の条件で2,000万回以上の耐久性があります。捻回においても、角度±180°、速度70回/分、間隔500mmの条件で2,000万回以上の耐久性を有しています。

なお、これらのデータはOKI電線による参考値であり、保証値ではありません。

4. 製品ラインアップと構造仕様


用途に応じて「層撚りタイプ」と「対撚り(ツイストペア)タイプ」の2種類をご用意しています。

層撚りタイプはシールドなし仕様で、導体断面積は0.05~0.5mm²、心数は3~15心です。対撚りタイプは、シールドなしおよびシールド付き(すずめっき軟銅線編組)から選択可能で、導体サイズは0.05~0.5mm²、対数は1~20対となっています。

電気的性能としては、導体断面積に応じて導体抵抗や絶縁抵抗、耐電圧が規定されており、いずれも産業用途に適した仕様となっています。

許容曲げ半径については、固定部配線ではケーブル外径の4倍以上、可動部配線ではシールドなしで外径の6倍以上、シールド付きで外径の8倍以上が推奨されています。

5. 結論


ORP-SL105℃ケーブル・シリーズは、105℃という高い耐熱性能と1億回を超える摺動耐久性、さらに徹底した細径化を同時に実現した製品です。ロボットの高性能化と小型化が進む現代のFA市場において、配線の信頼性と設計自由度を大きく向上させる重要なコンポーネントといえます。


◇メーカーサイト
https://www.okidensen.co.jp/jp/prod/cable/robot/orps105c.html

◇商品ページ
ORP-SL 105℃ シールド付き(SB)
https://nisho.ocnk.net/product-list/748

ORP-SL 105℃ シールドなし
https://nisho.ocnk.net/product-list/749









現在のケーブル市場は、ナフサおよび銅価格の同時上昇という、極めて特徴的な局面にあります。これらはそれぞれ被覆材料と導体材料の主要原料であり、両者の価格変動はケーブル製品のコスト構造に直接的かつ複合的な影響を与えます。本稿では、原材料の構造的背景を踏まえた上で、ケーブル価格および需要動向について分析します。

まず銅についてです。銅は電気伝導性と加工性に優れ、電線導体として不可欠な材料です。近年は電動化(EV)、再生可能エネルギー、データセンターの拡大といった分野で使用量が増加しており、需要は構造的な増加傾向にあります。一方、銅鉱山の開発には長期間を要し、短期的な供給増加は困難です。このため、需要増加に対して供給が追いつかず、価格は中長期的に上昇しやすい構造にあります。銅建値はこうした国際市況および為替の影響を受けて決定されるため、国内価格も同様に上昇圧力を受けやすい状況です。

次にナフサについてです。ナフサは石油精製過程で得られる炭化水素混合物であり、エチレンなどの基礎化学品の原料として使用されます。ポリエチレン(PE)や架橋ポリエチレン(XLPE)、さらにはポリ塩化ビニル(PVC)においても、その原料の一部はナフサ由来のエチレンに依存しています。また、PVCコンパウンドに使用される可塑剤や添加剤の多くも石油化学製品であり、ナフサ価格の影響を受けます。したがって、ナフサ価格の上昇は樹脂価格を通じて被覆材コストの上昇要因となります。

このように、導体と被覆というケーブルの主要構成要素の双方においてコスト上昇圧力が同時に作用しているため、製品価格は上昇または高止まりする傾向が強まります。特に銅は製品原価に占める比率が高く、価格変動の影響は顕著です。

一方で、需要動向を考察する際には、現在の発注量が必ずしも実需を反映していない点に留意する必要があります。供給不安や価格上昇の情報が市場に広がると、需要家は将来の調達リスクを回避するため、通常よりも多い数量を前倒しで発注する傾向があります。この結果、統計上の需要は一時的に増加しますが、その実態は消費ではなく在庫の積み上げです。

このような前倒し需要は、短期的には需給を逼迫させ、納期延長や一部製品の品薄を引き起こします。しかし、供給が一定程度回復した段階で在庫が顕在化すると、新規発注は急減し、需要は反動的に落ち込みます。この現象は過去にも繰り返されており、需給の自己増幅的な変動として説明されます。

したがって、今後のケーブル需要は、短期的には仮需の増加により強含んで推移する可能性がある一方で、中期的には在庫調整局面に入り、需要が減速するシナリオが合理的と考えられます。これは実需の拡大ではなく、需給の時間的なシフトによるものです。

価格については、銅の構造的な供給制約およびナフサ由来の石化原料価格の変動を考慮すると、短期間で大幅に下落する可能性は低く、一定期間は高値圏で推移することが想定されます。ただし、需要が減速する局面では、需給バランスの変化により一時的な調整が生じる可能性もあります。

以上のように、現在の市場は「コスト上昇」と「需要の前倒し」が同時に進行する特殊な状態にあります。このような環境下では、見かけ上の需要増加を実需の拡大と誤認することが、需給判断を誤る要因となります。市場の動向を正確に把握するためには、発注量ではなく実際の消費動向および在庫水準に着目することが重要です。

過去の事例からも明らかな通り、需給の歪みは時間の経過とともに必ず調整されます。したがって、短期的な市場の変動に過度に反応するのではなく、原材料の構造的要因と需給のメカニズムを踏まえた上で判断することが求められます。