沖電線 ORP-SL105℃ 105℃対応細径高屈曲ロボットケーブルの技術概要

沖電線が提供する「ORP-SL105℃ケーブル・シリーズ」は、産業用ロボットおよびFA(ファクトリーオートメーション)機器の小型化と過酷な動作環境に対応するために設計された高機能ケーブルです。本製品の最大の特徴は、UL 758 Style 2517規格に適合した105℃の定格温度と、従来のORPケーブル比で約20%の細径化を実現している点にあります。

摺動、首振り、捻回といったロボット特有の複雑な動きに対して極めて高い耐久性を持ち、特に摺動屈曲においては1億回以上の動作寿命を誇ります。柔軟性と耐油性、難燃性を兼ね備え、機器内および機器間の固定・可動部双方での利用に適した、次世代のロボット配線ソリューションです。


1. 規格適合性と基本設計


本シリーズは、国際的な安全規格であるUL規格に適合しており、高い信頼性を担保しています。

適用規格: UL758 Style 2517(定格105℃、300V)です。
難燃性: VW-1規格に適合しています。
追加対応: 受注生産により、ULリスティング(CL3)規格適合品への対応も可能です(導体断面積0.25mm²、0.3mm²、0.5mm²のみ)。
使用環境: 屋内、機器間および機器内の固定・可動部に対応しており、使用温度範囲は-10℃から105℃までをカバーしています。

2. 主要な特長と機能的利点


2.1 高度な細径化と柔軟性

従来のORP-SLシリーズの特性を継承しつつ、ORPケーブルと比較して平均約20%の細径化を達成しています。これにより、ロボットの小型化設計に寄与し、省スペース化を実現します。また、優れた柔軟性により、狭小部での配線取り回しも容易になります。

2.2 優れた耐油性と堅牢な材質

過酷な工場環境での使用を想定し、以下の材質を採用しています。

絶縁体には特殊エラストマーを使用しており、高い柔軟性と電気特性を両立しています。シース材には耐油性PVC(黒つや消し)を使用しており、油剤が付着する環境下でも劣化しにくい仕様です。

3. 卓越した可動性能


本ケーブルは、ロボットのあらゆる動き(摺動、首振り、捻り)に対応するため、厳しい試験条件下で高い耐久性能が確認されています。

摺動屈曲では、曲げ半径が外径の約6倍、速度70回/分、移動距離350mmの条件下で1億回以上の耐久性を示しています。首振屈曲では、曲げ半径が外径の約8倍、角度±90°、速度40回/分の条件で2,000万回以上の耐久性があります。捻回においても、角度±180°、速度70回/分、間隔500mmの条件で2,000万回以上の耐久性を有しています。

なお、これらのデータはOKI電線による参考値であり、保証値ではありません。

4. 製品ラインアップと構造仕様


用途に応じて「層撚りタイプ」と「対撚り(ツイストペア)タイプ」の2種類をご用意しています。

層撚りタイプはシールドなし仕様で、導体断面積は0.05~0.5mm²、心数は3~15心です。対撚りタイプは、シールドなしおよびシールド付き(すずめっき軟銅線編組)から選択可能で、導体サイズは0.05~0.5mm²、対数は1~20対となっています。

電気的性能としては、導体断面積に応じて導体抵抗や絶縁抵抗、耐電圧が規定されており、いずれも産業用途に適した仕様となっています。

許容曲げ半径については、固定部配線ではケーブル外径の4倍以上、可動部配線ではシールドなしで外径の6倍以上、シールド付きで外径の8倍以上が推奨されています。

5. 結論


ORP-SL105℃ケーブル・シリーズは、105℃という高い耐熱性能と1億回を超える摺動耐久性、さらに徹底した細径化を同時に実現した製品です。ロボットの高性能化と小型化が進む現代のFA市場において、配線の信頼性と設計自由度を大きく向上させる重要なコンポーネントといえます。


◇メーカーサイト
https://www.okidensen.co.jp/jp/prod/cable/robot/orps105c.html

◇商品ページ
ORP-SL 105℃ シールド付き(SB)
https://nisho.ocnk.net/product-list/748

ORP-SL 105℃ シールドなし
https://nisho.ocnk.net/product-list/749